館山城の城祭りが10月1・2日に開催されますが、城祭りでは先輩格の大多喜町でも10月8・9日に行われます。
ところで、大多喜町役場庁舎は、著名な建築家、今井兼次氏(1895~1987)の設計によるものです。
早稲田大学教授だった今井氏は近代建築の先駆けであり、アントニ・ガウディの紹介者としても草分け的存在でした。昭和34年、大多喜町役場庁舎で日本建築学会作品賞を受賞し、その後、日本26聖人殉教記念館(長崎)、佐賀大隅記念館、遠山美術館(埼玉)など多くの設計を手掛けられました。
大多喜町では、この文化財的価値のある庁舎建築を残しながら、耐震を含めた構造改修と、事務スペースの拡張を目的とした増改築工事を計画し、プロポーザル方式による設計公募を行いました。
今回の設計公募は、有名建築家の千葉 学氏が当選受注しました。千葉氏は、東京大学工学部建築科大学院修士修了、日本設計を経て千葉学建築計画事務所を設立し、現在東京大学大学院准教授です。主な作品としては、日本建築家協会JIA新人賞受賞の和洋佐倉女子セミナーハウス、日本建築家協会賞受賞の日本盲導犬総合センターなど多数です。
工事は現在、増築部分が完成し共用が開始され、既存庁舎の改修工事の開始前の片付けが行われていました。工事完成後には多くの建築雑誌等に掲載されることと思います。
既存庁舎
増築庁舎全景
新築部分内観